初心者が倍速で上達するピアノ練習法をご紹介します。始めたばかりの段階で誤った練習を続けていると変な癖がついたり、上達スピードが遅くなってしまうリスクがあります。
この記事ではたった1時間でできるピアノ上達法や、上達のコツ、初心者の方がやってしまいがちな非効率な練習法を解説します。ピアノを上達するには普段の練習法を見直すことが大切です。この練習法を実践して倍速でピアノを上達させましょう♪
ピアノを効率よく上達させる5つのポイント
ポイント1.毎回の練習前に基礎練習を行う
ポイント2.片手ずつ練習する
ポイント3.曲の一部分を反復練習をする
ポイント4.テンポを落として弾く
ポイント5.自分の演奏を録音または録画し客観的な改善点を見つける
ポイント1.毎回の練習前に基礎練習を行う
難しい曲を練習していると、「思うように手が動かない」なんてこともあります。ピアノ以外の楽器でもスポーツでも基礎練習は大切だと言われていますが、実際のピアニストも毎回の練習に取り入れているほど大変重要です。
ピアノの基礎練習を行うことで、どのような効果が見込めるのかをご紹介します。
【基礎練習で見込める効果】
特に冬の寒い季節はいつも以上に指が動かず、辛い思いをしている方も多いと思います。
練習曲の前に1、2分の基礎練習をするだけでも指の動きはだいぶ変わります。指を動かしてワームアップしましょう。指の筋肉を鍛える
曲によっては指を1オクターブほどに大きく広げて演奏する場合もあります。その際は普段は使わない筋肉を使うことになり、特に久しぶりに練習をするときは指がつってしまうこともあります。基礎練習で指を鍛えて、予防していきましょう。
基礎練習を何十分もする必要はありません。目安は5分程度ですが、たとえ1、2分でもいいので、普段の練習の前に基礎練習を取り入れるようにしてください。なめらかに指を動かすことができると実感していただけると思います。
本格的に指を鍛えたい方は、指のエクササイザーを使うのもおすすめです。
ポイント2.片手ずつ練習する
いきなり両手で練習をする方は少ないかもしれませんが、まずは片手ずつで練習することをおすすめします。
楽譜を的確に読める場合は、両手で練習し始めてもいいのですが、リズムに少しでも不安が残る場合は、片手ずつ練習するようにしましょう。
苦手とするパートでも、片手ずつで練習をしていると、両手で弾いたときに途中で詰まることなくスムーズに弾くことができます。両手で弾く練習が苦手な方は、ぜひ片手ずつの練習をしっかりと行ってみてください。
ポイント3.曲の一部分を反復練習をする
練習曲の楽譜全体を読んで、曲全体を把握してください。そうすることで、どの箇所が難しそうか、簡単そうか確認することができます。
人は誰しも得意不得意があります。練習している1曲の中でも、何回か弾いただけでスラスラ弾けるパート、何度練習しても詰まってしまうパートがあると思います。
毎回、1曲全体を練習すると、スラスラ弾けるパートは上達するものの、苦手とするパートはなかなか上達しないまま進んでしまいます。
時間を効率的に練習するためにも、苦手とするパートを何度も反復練習して、スムーズに弾けるように練習してください。
以前よりスムーズに弾けるようになったら、1曲を通して弾いてみて、別の苦手なパートが見つかったら、その箇所を反復練習をする、というような流れで進めてみてください。
ポイント4.テンポを落として弾く
楽曲には目標のテンポがありますが、一気に弾こうとするのではなく、1つのフレーズを確実に弾けるようになるまで、最初はテンポを落として練習してみましょう。
ゆっくりのテンポで間違えずに弾くことができたら、少しテンポを上げて練習する…というステップを繰り返し、目標のテンポへと近づけていくと効率的です。
自分の演奏を録音または録画し客観的な改善点を見つける
自分が練習する楽曲を聴くこと、そして自分が実際に弾いた音を聴くことが大切です。自分が練習している音源を聴くことで、楽譜を見てもすぐにリズムを取ることができ、効率よく練習を進めることができます。
また、自分の演奏した音を聴くことで、楽曲の音源との違いを発見することができ、集中して練習すべきパートを見つけることができます。
たとえ一人で独学で練習していたとしても、自分だけでは気づきにくいポイントにも気づくことができ、効率よい練習が可能となります。
1時間でこなす効率的なピアノ練習方法
ステップ1.基礎練習|10分間
ステップ2.練習曲を弾く|5分間
ステップ3.反復練習|20分間
ステップ4.練習曲を弾く|5分間
ステップ5.自分の演奏を録音する|5分間
ステップ6.反復練習か練習曲を弾く|15分間
<ピアノ練習でおすすめの教材>
ステップ1.基礎練習|10分間
基礎力は、弾きたい曲をより弾きやすく表現豊かに演奏するためのツールです。
つまりピアノ上達には必須です。
演奏したい曲を短期間で高い演奏を目指したい、より演奏の質を高めたいなら特定の技術にスポットをあてた教材で基礎練習を積むことが必要になってきます。
ピアノの基礎練習には大きく3つの技術にポイントがあります。
【3つの基礎練習】
手のポジションをキープした状態で、各指を動かす基本的な練習です。
人の手の指は長さや関節の位置が微妙に違います。
それに対し鍵盤は水平で、手前が白鍵、奥に1㎝ほど高く隙間のある状態で配列されている黒鍵があります。
鍵盤の形に合わせて自身の指をどの位置でどのように動かすのかを知って、動かしにくい薬指や小指を意識的に動かし音のばらつきをなくしていくような練習をします。
※全訳ハノンピアノ教本の第1~30番を活用するのがおすすめ
②指くぐらせの動きのための基礎練習
ピアノは鍵盤が88鍵あります。
それを10本の指で演奏するには手のポジションを左右に動かしながら対応しなければなりません。
例えばドレミファソラシドと連続で弾く場合、指は12345と対応させるとソの音までしか弾けません。
なので、途中で指をくぐらせて上のドの音にまで届かせる必要があります。
くぐらせるポイントは1の指をどこで返すかで12312345と返すと、ドレミファソラシドと連続して演奏することが可能になります。
指だけでなく、手首、肘、肩の関節の動きをうまく連動させることが必要です。
約130㎝あるピアノの鍵盤の幅に合わせて、腕を動かしやすいように上半身も腰を軸に左右に移動させる体の動きとともに指を動かすような練習をします。
※全訳ハノンピアノ教本の第39~41番を活用するのがおすすめ
③重音や跳躍のための基礎練習
ピアノはオーケストラで使用される楽器のすべての音域があるので、一人でいくつもの音を同時にならせる楽器です。
そのため楽曲に必ず含まれるのが重音と跳躍です。
人の手の指はそれぞれに関節の付き方や長さが違うため、水平な鍵盤に合わせた手の形やポジション移動を余儀なくされます。
単音で弾くのとは違い、重音は手を開いた状態でキープしなければならないので手首の自由があまり効きません。
他の関節をうまく使って同時に何本かの指を動かすという高度な動き。
重音は跳躍を伴うことが多いため、腕の左右の動きも併せて練習します。
ステップ2.練習曲を弾く|5分間
では練習曲を一度弾いてみましょう。
私は、一度弾いてみて、難しいと思った箇所や何度も詰まってしまう箇所を楽譜に鉛筆でコメントを書いていました。自分がわかりやすいように★印でもいいので、何かマークを記しておくと便利です。
※全訳ハノンピアノ教本は後半に進むにつれて難しくなるため、前半部分を活用することをおすすめします。
ステップ3.反復練習|20分間
★印をつけた箇所を片手ずつ練習し、慣れたら両手合わせて弾いてみてください。最低でも5回は反復練習を行うようにしましょう。
はじめの3回は、ゆっくりのスピードで音をひとつひとつ書くように練習をして、最後の2回は通常のスピードで練習しましょう。
ステップ4.練習曲を弾く|5分間
反復練習が終わったら、また練習曲を弾きましょう。はじめに弾いたときよりスムーズに弾けるようになっていることを実感していただけると思います。
ステップ5.自分の演奏を録音する|5分間
スマートフォンなどで簡単に録音・保存することができるので、ぜひ試してみてください。
慣れるまでは自分の音を聴くことは恥ずかしいですが、間違っているポイントやスピードが速すぎやしないかなどを客観的に確認できるので、効率的に練習するには欠かせない工程です。
ステップ6.反復練習か練習曲を弾く|15分間
録音した音を聴いて、再度曲の練習を行いましょう。特に反復練習をした箇所を意識して聴いてください。録音を聴いてみて新たに詰まった箇所があれば、集中して練習していくようにしましょう。
最後に、反復練習した箇所を意識して、数回曲を練習しましょう。
ピアノ初心者におすすめの練習曲
上記ではカノンを紹介しましたが、他にもおすすめ練習曲が多くあります。
【ジャンル別おすすめ練習曲】
・クラシック3選
・ポップス2選
・アニソン2選
クラシック3選
クラッシック曲から厳選してご紹介します。
カノン/パッヘルベル
1度は聴いたことのある名曲で。テンポもゆったりで、上達が楽しくなる華やかな曲です。両手ともしっかり使うので入門曲にぴったりです。
エリーゼのために/ベートーヴェン
有名な曲だけあり、とても人気です。ストーリー性があってステージ映えします。
テンポも速くないので初心者向きです。定番曲ですが、あまり知られていないメロディ部分も素敵な曲です。
トルコ行進曲/モーツァルト
ピアノを始めたばかりの人でも目標にしやすい曲です。曲の長さが3~4分くらいなので、体力的にも負担が少ない曲です。、曲の構成もリピート多く、暗譜しやすいです。
<クラシックでおすすめの教材>
ピアノソロ らくらく弾ける! クラシック名曲集 ~ドレミふりがな&指番号付
カノン/パッヘルベル、エリーゼのために/ベートーヴェン、トルコ行進曲/モーツァルトを含め全30曲分の楽譜収載されています。
ポップス2選
誰もが知るあの名曲もご紹介します。
少年時代/井上 陽水
原曲にもピアノが使われているので、演奏のイメージがしやすい曲です。1990年発表なので、30年以上さまざまなアーティストにアレンジされている人気の曲です。
左手の動きが一定で、そこまで動きがなく、初心者でも演奏しやすいです。テンポもゆったりで、あせらずに弾くことができます。
ありがとう/いきものがかり
難易度は少し高めです。音域が広いダイナミックな曲なので、指の基礎練習曲にも役に立ちます。歌声を右手で表現してるのですが、8分音符も多く、すばやく動かすことが肝心になります。
紅白歌合戦でも披露された人気曲で、ピアノ演奏のイメージはしやすいかと思います。ピアノの上達を早めたい方は挑戦してみましょう。
アニソン2選
子供から大人まで人気のあのアニメソングをご紹介します。
となりのトトロ
ジブリ映画『となりのトトロ』のエンディングソング「となりのトトロ」は、大人だけでなくお子様の練習曲にもぴったりです。
難易度は高くなく、ほぼ和音で左手の音を弾くので、指をいれかえる必要がありません。ある意味変化をつけにくい曲になっているので、元気に楽しく弾くことがポイントです。
また、オープニング曲の「さんぽ」も人気です。テンポがシンプルなので、ピアノが上達してきたらアレンジを加えてみるのも楽しいでしょう。
ひまわりの約束
映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌で、卒業式や結婚式でも使用される、メロディーの美しい曲です。
ドレミと隣同士の音で弾くことも多く、そこまで難しい曲ではありません。8分音符が連続で出てくるので、2音を一緒に弾いてしまいそうになりますが、1つずつの音をはっきり聴こえるように練習しましょう。
まとめ
●ピアノを効率よく上達させる5つのポイント
1.毎回の練習前に基礎練習を行う
ピアノの基礎練習は「指を温める」、「指を鍛える」の2つの効果が見込まれます。
2.片手ずつ練習する
苦手なパートでも片手ずつで練習すると、途中で詰まることなくスムーズに弾くことができます。両手で弾く練習が苦手な方は、ぜひ片手ずつの練習を行ってみてください。
3.曲の一部分を反復練習をする
毎回、1曲全体を練習すると、スラスラ弾けるパートは上達するものの、苦手とするパートはなかなか上達しないまま進んでしまいます。
時間を効率的に練習するためにも、苦手とするパートを何度も反復練習して、スムーズに弾けるように練習してましょう。
4.テンポを落として弾く
楽曲には目標のテンポがありますが、一気に弾こうとするのではなく、1つのフレーズを確実に弾けるようになるまで、最初はテンポを落として練習してみましょう。
5.自分の演奏を録音または録画し客観的な改善点を見つける
たとえ一たとしても、自分だけでは気づきにくいポイントにも気づくことができ、効率よい練習が可能となります。
●1時間でこなす効率的なピアノ練習方法
1.基礎練習|10分間
ピアノの基礎練習3つ
・各指の独立した動きの基礎練習
・指くぐらせの動きのための基礎練習
・重音や跳躍のための基礎練習
2.練習曲を弾く|5分間
練習曲を一度弾いてみましょう。難しいと思った箇所や何度も詰まってしまう箇所を楽譜にマークを記しておくと便利です。
3.反復練習|20分間
マークをつけた箇所を片手ずつ練習し、慣れたら両手合わせて弾いてみてください。
4.練習曲を弾く|5分間
再度演奏することではじめに弾いたときよりスムーズに弾けるようになっていることを実感していただけると思います。
5.自分の演奏を録音する|5分間
間違っているポイントやスピードが速すぎやしないかなどを客観的に確認できるので、効率的に練習するには欠かせない工程です。
6.反復練習か練習曲を弾く|15分間
録音した音を聴いて、再度曲の練習を行いましょう。特に反復練習をした箇所を意識して聴いてください。録音を聴いてみて新たに詰まった箇所があれば、集中して練習していくようにしましょう。
●ピアノ初心者におすすめの練習曲
クラシック3選(カノン/パッヘルベル、エリーゼのために/ベートーヴェン、トルコ行進曲/モーツァルト)
ポップス2選(少年時代/井上 陽水、ありがとう/いきものがかり)
アニソン2選(となりのトトロ、ひまわりの約束)
ONSALO(オンサロ)ではオンライン音楽レッスンを取り扱っております。
プロの音楽家によるレッスンをご希望のかたは以下をご覧ください♪
【ピアノ講師一覧】