オンラインレッスン需要の高まりと共に、色々な情報が溢れています。先生方もいくつかの記事をすでに参考にされていることでしょう。しかし、そのやり方は「音楽のオンラインレッスン」に適したものでしょうか?
大人も子供もレッスン人口が多い音楽のオンラインレッスンを開催するには、気を付けておきたいポイントがいくつかあります。今日は音楽に特化したレッスンの準備、やり方を集めました。
ピアノやギター、フルート、バイオリンなど、音楽のお教室をされている先生方のご参考になるとうれしいです。

1 オンライン音楽レッスンを始めるために
1-1 レッスン方法の違い
1-2 適したアプリを選ぶ
2 音質とコミュニケーションにこだわる
2-1 音質向上の為に
2-2 音質向上におすすめのグッズ
2-3 臨機応変さが大切
3 忘れがちなチェックポイント4つ
3-1 機材の充電
3-2 背景と採光
3-3 譜面やレッスンノートの共有
3-4 レッスンの録画
4 終わりに
1 オンライン音楽レッスンを始めるために
ボーカルレッスンや、ピアノ、ギター、ウクレレといった楽器のレッスンなど、音楽のレッスン方法にはいくつかの種類があり、それぞれに適したアプリを選ぶ必要があります。
1-1 レッスン方法の違い

一般的な音楽のオンラインレッスン方法は3つあります。
「動画を配信して生徒さんが学ぶ方法」「生徒さんのレッスン動画に先生がアドバイスする方法」「ビデオ通話可能なアプリで対話しながらレッスンする方法」いずれもスマートフォン1台で始められます。生徒さんのニーズに応じて、レッスンのやり方を決めましょう。例えば、連続した時間をレッスンにあてられない大人の生徒さんには動画配信を、レッスン中に都度質問やアドバイスの時間が欲しい方や、親御さんにもお伝えすべきことがある子供の生徒さん向けにはビデオ通話を選ぶ、といったかたちで、生徒さんの年齢や各レベルでの学びに適したオンラインレッスン方法を選択すると良いでしょう。
1-2. 適したアプリを選ぶ
オンラインレッスンにおすすめなアプリは「LINE」「Zoom」「Skype」「FaceTime」などがあります。
講師によって、選ばれるアプリは様々です。アプリは、使用する音楽機器、進め方、レッスン時間などの条件に合わせて活用されます。講師のオンラインレッスンのやり方がある程度定まった後、1つずつお試しになるのがよいでしょう。
また、先生の演奏する手元や楽譜など、複数のカメラを利用して切り替えてレッスンをするのも満足度を高めます。スマホスタンドでスマートフォンのカメラを固定して、演奏する手元に向けるなど、色々な工夫を重ねてみましょう。
![]() 時間制限:無制限 基本料:無料 |
![]() 時間制限:40分 基本料:無料 |
![]() 時間制限:4時間 基本料:無料 |
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2. 音質とコミュニケーションにこだわる
レッスン内容をより良いものにする秘訣は、音質とコミュニケーションです。
2-1. 音質向上の為に

ピアノやギター、琴やウクレレ、バイオリンなど、楽器演奏の音質に最も影響を与えるのは、通信環境です。最近ではWi-Fiの利用者が増えていますが、インターネット回線をお持ちの方は有線LANを用いてみましょう。LANケーブルは安価で購入可能です。「Lightning-USBアダプタ」など変換アダプタを利用すれば、PCだけでなくiPhoneなどスマートフォンやiPadなどにも有線LANを繋ぐ事が出来ます。またハウリング防止にスピーカーとマイクは距離をとります。スマホスタンドを利用するなど、適切な位置に設置できるよう工夫しましょう。
特に、ピアニストやギタリスト、ボーカル育成など、プロになるための学びを提供しているような教室であれば、音質については徹底的にこだわり、学びの質を上げていくことが大切です。
2-2. 音質向上におすすめのグッズ
【マイク】
パソコン・スマートフォンのマイクは、ピアノやギターなどといった、楽器の音を拾いにくいようです。先生はデバイスとは別にマイクを準備される事をおすすめします。おすすめはコンデンサーマイクです。小さな音や繊細な音をクリアに収音できるのが特徴で、パソコンにUSB接続して使用するタイプが手軽でしょう。



【イヤホン・ヘッドホン】
パソコン等の機材から音を聞こうとすると、どうしてもボリュームを上げがちです。大音量は機材に負荷をかけますし、音質もあまりよくありません。バイオリンや琴など弦楽器の繊細な音を的確に拾ったり、ピアノやサックスなどの、ダイナ一句な広がりが割れたりしないよう、先生と生徒さん共に、イヤホン・ヘッドホンは用意しておきたいグッズです。動画を視聴する側にはマイク付きイヤホンがおすすめです。iPhoneを利用しているという方でしたら、付属品のイヤホンがこれにあたります。純正のイヤホンだけでなく最近ではコンビニでも手軽に購入する事が出来ますよ。演奏をする側はレッスンの際コードが邪魔になりやすいので、ワイヤレスタイプのイヤホン・ヘッドホンをおすすめします。


【オーディオインターフェース】かなり本格的なお教室を運営されている先生であればオーディオインターフェースを導入するのも一つの手です。雑音(ノイズ)が混入するのを避けたり、音の遅れを防いだりする事ができます。
2-3. 臨機応変さが大切
「通信が途切れてしまった」「タイムラグにより会話のテンポがかみ合わない」オンラインレッスンには予期しないトラブルが起こる事もあるでしょう。オンラインレッスンという慣れないやり方で生徒さんは神経を集中させています。特に子供の生徒さんは、いつもより早く集中力が切れてしまったり、疲れが見えてしまうかもしれません。対面時より、より生徒さんの表情・声色を察知するスキルが求められます。どんな状況にも臨機応変に対応する柔軟性を高めていきましょう。
3. 忘れがちなチェックポイント4つ
最後に、以外と見落としがちな点をいくつかご紹介します。
3-1. 機材の充電
レッスン中に充電が切れてしまっては生徒さんに申し訳ないですよね。フル充電してレッスンを開始できるよう準備しましょう。もしくは電源に繋いだままでもレッスンが出来そうであれば、それが一番安心です。
3-2. 背景と採光

オンラインレッスンでは、背景の選択も大切なポイントになってきます。画面越しに雑然とした背景が映ると、子供の生徒さんはもちろん、大人の生徒さんでも集中しにくいものです。背景は白い壁など、すっきりさせておくのがポイント。また、日中のレッスンにおいて採光具合で楽器が見えにくくなる事もあるようです。カーテンで調整しておきましょう。
3-3. 譜面やレッスンノートの共有
普段は音楽を演奏する手元を見ながら、楽譜を同時に確認しているかと思いますが、オンラインレッスンの特性上1つの画面でその両方を確認する事が難しいです。手元用と楽譜用と2つの機材を利用すれば可能ではありますが、そこまで負担をかけたくないという先生・生徒さんの方が多いでしょう。
そこで事前に譜面は写真を撮るなりしてお互いに情報共有をしておきましょう(著作権には注意してください)。同様に譜面に直接アドバイスを書き込む事なども出来ませんので、先生の手元にある譜面に書き込みをしたものを再度画像で送る、箇条書きでメッセージを送る、などやり取りの方法を生徒さんと相談しておきましょう。
3-4. レッスンの録画
何度も見返すことが出来るので、生徒さんにはうれしい録画。また生徒さん側も自分の演奏している姿を客観的に見る事で新たな発見があるかもしれません。ピアノの指運びやボーカルレッスンの腹圧、喉の使い方など、細かい部分もしっかりとチェックできますし、先生が、レッスン内容の改善点を振り返る事もでき、便利です。一度は試して欲しい新しいレッスンのやり方です。
4. 終わりに

音楽のオンラインレッスン開催にはいくつかポイントがあります。事前に少し環境を整えるだけで、満足度の高いレッスンになるでしょう。特にこだわりたいのはやはり「音質」のところ。改めて別の記事に「マイク」や「機材」について詳しくご説明しておりますので、そちらの記事もぜひ読んで参考にしてみてください。
音楽のオンラインレッスン受講に必要なもの