ピアノは、決して安い買い物ではありません。おすすめの買い方・選び方をご紹介します。アコースティック・ピアノ、消音ピアノ、電子ピアノ、キーボード、それぞれの鍵盤・音・機能の特徴と、ピアノ購入の際にチェックすべきポイントや注意点をまとめました。
目次
ピアノの選び方1:「アコースティック・ピアノ」の特徴と長所・短所
ピアノの選び方2:「消音ピアノ」の特徴と長所・短所
ピアノの選び方3:「電子ピアノ」の特徴と長所・短所
ピアノの選び方4:「キーボード」の特徴と長所・短所
自分のニーズに合ったピアノはどのタイプ?
ピアノを選ぶ際のチェックポイント・注意点
気に入ったピアノをより安く、賢く買う方法
ピアノ選びの選択肢には、大きく分けて以下の2種があります。
●アコースティック・ピアノ
●電子ピアノ
更にアコースティック・ピアノには、電子ピアノの一部機能を兼ね備えた「消音ピアノ」、そして電子ピアノにも、鍵盤数が少なく持ち運びに便利な「キーボード」の選択肢があります。
それぞれ特徴があり、長所・短所があります。同じ種類のピアノでも、鍵盤の材質や性能などグレードによって値段の幅も広いので、しっかり比較検討して候補をしぼっていきましょう。
アコースティック・ピアノというとピンと来ないかもしれませんが、「ピアノ」と聞いた時にまず思い浮かぶような、外面が木製のピアノのことで「グランド」と「アップライト」の2種類があります。
■音の出るしくみ
■アコースティックピアノの長所
●タッチによって音色に変化をつけることが出来、表現の幅が広い
●しっかりメンテナンスをすれば長期間の使用が可能
■アコースティックピアノの短所
●音量調整に限界がある(※)
●置く場所に配慮が必要(重量があるので建物によっては床の補強が必要。湿気の高いところは適さない)
●値段が高い(アップライトピアノで新品40万円台~)
※後から消音機能ユニットをつけることによって、消音ピアノにすることもできます
消音ピアノとは、アコースティック・ピアノと電子ピアノ両方の機能を備えているピアノです。
■音の出るしくみ
鍵盤を弾く感覚としては、消音機能を使用している際に若干違和感があることは否めませんが、アコースティック・ピアノと大きな違いはありません。
■消音ピアノの長所
外観的にはアコースティック・ピアノと同じなので高級感がある
■消音ピアノの短所
●メンテナンスが必要
●置く場所に配慮が必要
●消音機能を使用する場合は電源が必要
■音の出るしくみ
音源は、現在ではグランドピアノから収録した音を使用するのが定番で、デジタル音という言葉から想像する機械的な響きではなく、より洗練されたアコースティック・ピアノに近い音で再現されるよう各メーカーとも技術を競っています。
また、タッチについても、アコースティック・ピアノを弾いた時の感覚が追求され、年々性能が向上しています。鍵盤数は、アコースティック・ピアノと同じ88鍵です。
■電子ピアノの長所
●メンテナンスの必要がない
●いろいろな楽器の音色に変化させることができる
●アコースティック・ピアノに比べ、木や金属弦を使っていないので重量が軽い
●メトロノームが内蔵されている
●パソコンと接続して、音楽(楽譜)を作成するなど活用できる
●録音、自動伴奏機能など、機種によって様々な機能がついている
●機種によっては、スマホやタブレットのアプリと連携できる
●内蔵された演奏を聞いたり、機種によりBluetooth Audioとして楽しめる
●アコースティック・ピアノに比べ安価(5万円位~)
■電子ピアノの短所
●音色やペダルの微妙な使い分けがアコースティック・ピアノに劣る
●摩耗した部分の修理や部品交換が出来なくなったら寿命(15~20年)
■音の出るしくみ
電子ピアノとの大きな違いはタッチで、機種によってはタッチレスポンスという機能がついていて、鍵盤を叩く強さに応じて音量の変化を出すこともできますが、いずれにしても電子ピアノほど繊細ではなく、安価なものでは2~3段階の強さにしか変わらないものもあります。
■「キーボード」の長所
●アコースティックや電子ピアノに比べ安価(3万円台~)
●置く場所をさほど選ばない
●メンテナンスの必要がない
●多数の音色、リズムパターンを内蔵
●ダイナミックな演奏を一人で楽しめる機能が満載
●機種によってバンドでの演奏、音楽制作に役立つ機能がついている
■「キーボード」の短所
●タッチによる音の変化に乏しいので、表現に限界がある
●ペダルやスタンド、椅子などが別売り
●電源がないと使えない
●弾き方によるが、寿命が比較的短い
それぞれのピアノの特徴や長所・短所を知った上で、自分がピアノに求める条件と以下のチェックポイントを照らし合わせてみましょう。
2.主にどのジャンルの曲を弾きたいか?
3.持ち運び、または引越しの頻度
4.音を気にせず練習したいか、音量調整、消音機能は必要か?
5.タッチや音色へのこだわり
6.置き場所の制限
7.メンテナンスの要・不要
購入したいピアノが決まったら、いよいよショッピングです。 最近は、何でもネットで値段を比較し簡単に購入することができますが、最終的にネットで購入するにしても、ピアノは必ず実際に弾いてから選ぶようにしましょう。
楽器の大きさ、使われている木材の種類、国産か外国産かなどによって値段に差がでますが、値段が高い楽器ほど響きが美しく、またアクションが繊細なので、音色の幅が広く、連打やトリルの弾きやすさなどに違いがでます。
ただし、音には好みというものがあります。日本では「ヤマハ(ヤマハ株式会社)」と「カワイ(河合楽器製作所)」が2大ブランドで、それぞれの音に個性がありますが、最終的には楽器自体の良し悪しというよりも、音を出した時に直感的に好きだと思ったものがあなたに合ったピアノといえます。
KAWAI(カワイ) GL-10 アコースティックピアノ
☑鍵盤の素材
樹脂製と上位モデルの木製では手触りに違いがでる
☑鍵盤が自然に戻ってくるかチェック
鍵盤を手前から奥へ叩き奥の方にいくと戻りが鈍くなるピアノはNG
☑ハーフタッチの感覚
良いピアノはそっと弾いた時にカクンという小さな抵抗を感じる
☑スピーカーの数
多いほど音に立体感がうまれ、音量を小さくしたときほど違いが出る
☑一番右のペダルを踏んだ時の音の伸び具合や消え方を比べる
アコースティック・ピアノに比べ、メーカーも機種も選択の幅が広い電子ピアノは、何を決め手として選べばいいのか悩むところ。そんな時は以上の5点をチェックしてみてください。
自分は初心者だから弾いても違いがわからない、又は、そこまでこだわらないという人もいると思いますが、何台か弾き比べていくと、誰でも鍵盤のタッチや音色の違いがわかってくるものです。そして徐々に「あのピアノよりこちらの方がなんとなく弾き心地がいい」というように、漠然と自分の好みがわかります。
どうしても迷ってしまった時のおすすめは、上位クラス中の下方15~20万円レベルの機種! 中級者以上でも対応できて安心です。10万円前後の予算なら、鍵盤の動きにこだわって選びましょう。
YAMAHA(ヤマハ) YDP-145 電子ピアノ
■「電子ピアノ」「キーボード」の場合
機種さえ決まれば家電製品と同じ感覚で店頭、ネットのどちらで購入してもさしつかえありません。キーボードは椅子もスタンドも含まれていないことの方が多いですが、電子ピアノも安価なものは椅子が含まれていないので注意が必要です。また、椅子付でも高低が自在に変えられるか固定かもチェックポイント! 特に子供用の場合は、高低が変えられる椅子がついているほうが便利です。
<他に必要になる可能性のあるもの・あると便利なもの>
延長コード、性能のいいヘッドホン、パソコンとつなぐケーブル、
■「アコースティック・ピアノ」「消音ピアノ」場合
一台一台手作りで楽器それぞれに個性があるので、音色にこだわる場合は試弾した現品を購入するほうが安心です。
楽器店で購入する場合は、店頭表示より安く購入できる可能性もあるので相見積りをとりましょう。椅子がついているか、また納入後に調律サービスが何回ついているかチェックしましょう。調律はアップライトでも15,000円程度かかります。調律を1回多くつけてもらうだけでもお得なので、商談では是非掛け合ってみてください。
ピアノ教室に通っている場合は、先生を通して楽器店に見積りを頼むと、更に良い値段や特典が提示されることもあります。一度先生に相談してみるといいでしょう。
<他に必要になる可能性のあるもの・あると便利なもの>
湿度計、加湿器、除湿機
楽器との出会いは一期一会。あなたのピアノライフを共に歩む大切なパートナーです。条件だけでなく弾き心地も吟味し、理想のピアノを探しましょう。